キーボードの打鍵音の種類
日本では「キーボードはあくまでもパソコンに文字入力するための機器」と考える方が多いように感じます。しかし海外ではキーボードの打鍵音を追及するコミュニティがいくつか存在し、キーボードの打鍵音の比較動画やASMR動画などが多くの再生数を獲得しています。
キーボードの打鍵音とは
そもそも打鍵音とはなにか。それはキーボードをタイピングする際に発生する音のことで、キーボードの構造や材質によって変化します。
家電量販店で販売されている既製品のキーボードではカスタマイズすることは難しいですが、自作キーボードであればカスタマイズ性が高いため打鍵音を追及される場合はおすすめです。
打鍵音の追求
打鍵音の好みは人それぞれです。押した瞬間に「気持ちいい」と感じる、あの独特な音に魅力があります。けれど、その「気持ちよさ」は人によってまったく違います。カチャカチャと軽快な音が好きな人もいれば、コトコトと深くこもった低音に心地よさを感じる人もいる。音が静かなほど良いという人もいれば、あえて反響した音を楽しむ人もいます。
さまざまなパーツの組み合わせによって、無限に近いカスタマイズの可能性があります。まるで音のパズルを組み立てるように、理想の音を追い求めて試行錯誤を繰り返すものです。
キーボードを毎日使うのは、誰でもない自分自身です。他人の評価や「正解」に左右される必要はありません。心から気に入った音が、自分にとっての正解なのです。
打鍵音に影響を与える要素
スイッチ
打鍵音の芯の要素を担うのがスイッチです。
構造、素材、潤滑材の有無などで打鍵音が変わります。
キーキャップ
音の印象を変える要素を担うのがキーキャップです。
素材、キャップ自体の厚さ、高さなどで打鍵音が変わります。
ケース
打鍵音全体の響き方の要素を担うのがケースです。
素材やマウント方式などで打鍵音が変わります
フォーム
高音域を吸収する要素を担うのがフォームです。
基板の上下、プレートの下などにフォームを入れることで打鍵音が変わります。
プレート
打鍵音の反響や硬さの質感の要素を担うのがプレートです。
素材、フレックスカット(スイッチとの間の隙間をくりぬくことでプレート自体を疑似的に柔らかくする)の有無などで打鍵音が変わります。
打鍵音の種類
名前のついている代表的な音の傾向について紹介します。
「コトコト」
音の特徴
打鍵音が低音。 英語圏では「Thocky」と呼ばれる音がこれにあたります。 静かめで密度感のある詰まった音が特徴的で夜に聞きたいASMR向けのサウンドです。
Thockyな音を出すためには。
キーボードの中の空洞を減らしていくことで吸音効果が期待できます。 キーキャップの素材をPBTにして、背が高く厚みのあるものを取り付けることで肉厚なサウンドになります。 プレートを柔らかい素材にすることで音がまろやかになり、ガスケットマウントにすることで衝撃を吸収するのも有効です。
「カタカタ」
音の特徴
打鍵音が高音 英語圏ではClackyと呼ばれる音がこれにあたります。 軽快で明瞭な音が特徴で、高い音ではあるが不快感のあるものではありません。
Clackyな音を出すためには
プレートを硬い素材にすることで硬質でハッキリとした高い音が出るようになります。 ケース本体にねじ止めするトレイマウントやトップマウントはがっしりとした音になり、フォームをなくすことで音が響きやすくなります。 キーキャップは軽いABSにして、薄めのものを使うとスイッチ本来の音が出ます。
まとめ
キーボードの打鍵音は無限の組み合わせで構成されています。 自分が気持ちよく打てる音を追求していくことで得られるのは個性です。 その個性をぜひ追い求めてみてください。