スイッチスペックの読み方
キーボードにおける打鍵の感触、音に直接かかわってくるスイッチ。
実際に遊舎工房にきたり、他の人のスイッチに触れたりしてスイッチを購入する方はいらっしゃると思います。
しかし、商品ページを見るとスイッチの性能が書いてあっても「なにが書いてあるのかわからない...」と感じる方は少なくないと思います。
今回はスイッチの性能の読み方について紐解いていきます。この記事を見ることであなたの好みのスイッチの系統がわかってくると思います!
アクチュエーショントラベル
どこまで押したら入力されるかを示す深さです。
単位は「mm(ミリメートル)」で、よく1.0〜2.0mmあたりで表記されています。数値が低ければ低いほど触れた瞬間に反応したりします。
逆に数値が高ければ高いほどしっかり押さないと反応しないため誤打しにくいです。
トータルトラベル
キーが一番下まで沈むまでの距離です。
こちらもmm表記で、よく3.0〜4.0mmあたりで表記されています。数値が低ければ低いほど底打ちまでが浅いので連打しやすいです。
逆に数値が高ければ高いほど底打ちが深くしっかり押せます。
アクチュエーションフォース
キーが反応するまでに必要な力です。
単位は「g(グラム)」で、30〜60あたりで表記されています。数値が低ければ低いほど指が疲れにくく高速でタイピングができます。
逆に数値が高ければ高いほどしっかり押さないと反応しないため誤打しにくいです。
ボトムアウトフォース
キーが一番下まで沈むまでに必要な力です。
こちらもg表記で、よく40〜80あたりで表記されています。アクチュエーションと同じく軽ければ早くタイピングでき、重ければ誤打しにくいです。
スイッチタイプ
こちらにはスイッチの感触を表す名前が表記されています。
リニア、タクタイル、クリッキー、静音リニア、静音タクタイルの5種類あり、リニアは底打ちまでストンと落ちる感触。
タクタイルはキーの反応点に段差がある感触。
クリッキーはカチッという音と感触
静音リニアはリニアを静かにしたもの。
静音タクタイルはタクタイルを静かにしたもの。
関連記事: メカニカルスイッチのタイプ別の特徴
スプリング
キースイッチの中に入っているばねの長さを表記しています。
単位は「mm(ミリメートル)」で、よく14.0〜22.0mmあたりで表記されています。
数値が低ければ低いほど押しやすいですが、戻りが遅いです。
逆に数値が高ければ高いほど戻りが早いため、連打がしやすくなります。
互換性
スイッチの形状が基板に対応しているかを示すものです。
主にCherryMX,Kailh Choc V1,Kailh Choc V2の3つです。
キースイッチを購入する際は基板と互換性があるか確認しましょう。
関連記事: スイッチの種類とソケットの互換性
ファクトリールブ
工場がスイッチを作る際に潤滑材を塗っているかを示すものです。
ありの場合はすでに塗られているため、自分で塗らなくても良くなります。
ステム、トップハウジング、ボトムハウジング
キースイッチのパーツの素材が表記されています。
お気に入りのスイッチがあれば素材を見ると好きなスイッチが見つけやすくなります。
トラベルダイアグラム
たいてい横軸にトラベル縦軸にフォースが置かれているキーを押し込んでいくごとに変化するキーの重さ(=バネの反発力) をグラフ化したもの
例:Cherry MX2A Redのトラベルダイアグラム
キーを押し込んでいくごとに変化していくキーの重さをグラフ化したものです。
縦軸にはフォース(重さ)、横軸にはトラベル(押し込みの深さ)がおかれており、グラフでキースイッチの感触が見てわかるようになります。
まとめ
スイッチを感覚だけで選ぶのも楽しいですが、スペックを知ることで「なんで好きなのか」がわかるようになり、次の選択が楽になります。
すぐ反応してほしい → アクチュエーショントラベルが短いもの
軽く打ちたい → アクチュエーションフォースが低いもの
しっかり押し込みたい → トータルトラベルが深いもの
音にこだわりたい → スイッチタイプや素材をチェック
自分の「理想の打鍵」を見つけるために、ぜひスペックと向き合ってみてください。